HSK1は、台湾華語の入口としてちょうどいい
HSKは、中国語学習者向けの語彙・運用力の目安として使われる標準的な検定です。レベルごとに覚える単語の範囲が決まっていて、HSK1はその中でも最初の入門段階にあたります。
HSK Academy の HSK 1 vocabulary list は、HSK1の単語をひと通り確認するのに便利です。HSK1は全部で150語あり、文法の説明よりも先に、日常でよく出る単語の基礎を作るのに向いています。
台湾華語として見るときは、簡体字を繁体字に直すだけで十分な語が多い一方で、台湾では別の言い方が自然な語もあります。この記事では、その差を先に押さえつつ、初学者が覚える順番も整理します。
この記事の狙い
150語を1語ずつ暗記させるのではなく、台湾華語で学ぶときに「どの単語から入ると会話に効くか」を分かるようにすることを目指します。
まず覚えたいのは、会話の骨組みになる語
HSK1の中でも、最初に押さえると効率がいいのは、人称・指示語・基本動詞・時間表現です。ここを先に覚えると、残りの名詞が増えていったときに文を作りやすくなります。
- 人称: 你 / 我 / 他 / 她 / 我們
- 指示語: 這 / 那 / 這裡 / 那裡
- 基本動詞: 是 / 有 / 在 / 去 / 來 / 叫 / 說 / 看 / 聽 / 讀 / 寫 / 買 / 住 / 做 / 坐
- 頻出表現: 好 / 不 / 沒有 / 會 / 想 / 能 / 很 / 也 / 都 / 太
- 時間: 今天 / 明天 / 昨天 / 現在 / 上午 / 中午 / 下午 / 星期 / 年 / 月 / 號 / 時候
このあたりは、台湾華語でもほぼそのまま使えます。まずは意味の大きい語を先に取って、あとから名詞を足していくほうが、学習の見通しがよくなります。
150語は、テーマごとに見ると覚えやすい
HSK1の単語は、バラバラに並んでいるように見えて、実際にはいくつかの生活シーンに分けて覚えると整理しやすいです。初学者は、まず「毎日使う語」を中心に入れるのがおすすめです。
あいさつと人を呼ぶ語
- 你好
- 再見
- 謝謝
- 不客氣
- 請
- 對不起
- 喂
- 先生
- 小姐
- 老師
- 學生
- 同學
- 朋友
- 爸爸
- 媽媽
- 兒子
- 女兒
毎日の動作
- 吃
- 喝
- 看
- 聽
- 說
- 讀
- 寫
- 買
- 去
- 來
- 住
- 學習
- 認識
- 打電話
- 開
- 回
- 想
生活のもの
- 書
- 水
- 茶
- 米飯
- 蘋果
- 電腦
- 電視
- 電影
- 電話
- 學校
- 商店
- 醫院
- 醫生
- 衣服
- 椅子
- 桌子
- 杯子
- 飛機
- 狗
- 貓
時間と場所
- 今天
- 明天
- 昨天
- 現在
- 上午
- 中午
- 下午
- 星期
- 年
- 月
- 號
- 時候
- 前面
- 後面
- 裡
- 家
- 北京
- 中國
こうして見ると、HSK1は「単語帳の1ページ目」ではなく、生活の動詞と名詞をまとめて押さえるための入門セットとして使いやすいことが分かります。
台湾華語では、ここだけ言い換えを意識したい
HSK1の大半は繁体字化だけで通りますが、以下の語は台湾での自然さを先に知っておくと混乱しにくいです。
| HSK1の語 | 台湾華語 | メモ |
|---|---|---|
| 汉语 | 華語 / 中文 | 台湾では「華語」がいちばん自然。書き言葉では「中文」もよく使う |
| 出租车 | 計程車 | 台湾の街でそのまま使う言い方 |
| 哪儿 | 哪裡 | 会話でも書き言葉でもこちらが自然 |
| 一点儿 | 一點 | 兒化を外して覚える |
| 什么 | 什麼 | 台湾でも基本は同じ。繁体字にするだけでよい |
| 怎么 | 怎麼 | 繁体字化でそのまま使える |
| 里 | 裡 | 台湾では「裡」をよく見る |
| 饭店 | 飯店 / 餐廳 | 台湾では飯店がホテル寄り。食事なら餐廳が無難 |
| 分钟 | 分鐘 | HSKの繁体表記は「分鍾」だが、台湾では「分鐘」が一般的 |
| 怎么样 | 怎麼樣 | 台湾でもそのまま自然に使える |
特に大きいのは、汉语 → 華語、出租车 → 計程車、哪儿 → 哪裡、一点儿 → 一點です。ここは表記の違いだけでなく、台湾で耳にする頻度そのものが変わります。
飯店は文脈で判断する
台湾では「飯店」はホテルを指すことが多いです。食事の場所を言いたいなら「餐廳」が自然です。HSK1を台湾華語として読むときは、単語の意味だけでなく、実際にどう使われるかまで見ておくと迷いにくくなります。
初学者は、この順番で覚えると進めやすい
- 1まずは、你好・謝謝・請・對不起・不客氣のような基本のやり取りを覚える
- 2次に、你 / 我 / 他 / 她 / 這 / 那 / 哪裡 のような会話の骨格を取る
- 3そのあと、吃・喝・看・聽・說・去・來・有・在・是 のような動詞を増やす
- 4最後に、時間・場所・食べ物・学校・家族の名詞を足す
- 5台湾で別の言い方がある語だけ、まとめて差し替える
単語を単独で覚えるより、短い文のかたちで覚えるほうが、台湾華語では定着しやすいです。たとえば「我想去計程車」ではなく、「我想坐計程車」のように、実際に使う動詞まで含めて覚えると自然になります。
例文で見ると、台湾向けの差が分かりやすい
| HSK1ベース | 台湾華語 | ポイント |
|---|---|---|
| 你叫什麼名字? | 你叫什麼名字? | そのまま使える |
| 你是哪兒人? | 你是哪裡人? | 哪兒を哪裡にする |
| 我會說漢語。 | 我會說華語。 | 言語名は華語が自然 |
| 這裡有出租車嗎? | 這裡有計程車嗎? | 交通語は計程車 |
| 我一點兒也不累。 | 我一點也不累。 | 兒化を外す |
| 我想去飯店。 | 我想去飯店。 / 我想去餐廳。 | 飯店はホテル寄りなので文脈注意 |
こういう差は、単語帳の中だけで見ていると気づきにくいです。だからこそ、HSK1を「単語の羅列」としてではなく、台湾華語の入り口としての会話素材として見るのが有効です。
まとめ
HSK1は、台湾華語を始めるときの最初の土台としてかなり使いやすい150語です。多くは繁体字化だけで通りますが、華語 / 計程車 / 哪裡 / 一點 / 飯店のように、台湾で自然な言い方を先に知っておくと、学習のつまずきがかなり減ります。
最初から全部を完璧に覚える必要はありません。まずは会話の骨格になる語から入って、そこに日常単語を足していく。HSK1は、その順番を作るためのちょうどいいリストです。元の一覧を確認したい場合は、HSK Academy の HSK 1 vocabulary list を見ながら進めると整理しやすくなります。