動作完了の「了」
動詞のすぐ後に置く「了」は、過去形ではありません。その行為が一区切り起きたと伝える印です。数量つきの目的語と組み合わせる形と、文末の了との違いを、図と短い練習で確かめます。
結論と使い分けの判断
動詞のすぐ後に置く了は、その行為が一区切り起きたと伝える印です。過去だから付けるのではなく、行為が実行されたから付けます。数量つきの目的語と組み合わせると、それだけで言い切れる文になります。対象を全部やり遂げたとは言っていません。
何が変わったかを選ぶ
動作の前
還沒吃
動作をやり終えた
吃了兩個蘋果
スライダーを右へ動かすか「今へ」を押すと、変わり目を越えた言い方が出ます。
ここでの了は、状態が変わったことではなく、動詞のすぐ後で行為が一区切り起きたことを伝える印です。対象を全部やり遂げたとは言っていません。
1つまずき
日本語話者が間違いやすいポイント
目的語を「量」なしで置いてしまう
動詞のすぐ後の了に続けて、量や特定を示さない裸の名詞だけを置くと、まだ続きがあるように聞こえます。台湾華語では、数量詞や那/這などを添えて「何を・どれだけ」を言い切るのが自然です。ただし、後ろに別の動作が続く文(我吃了飯就出門。など)では、裸の名詞でも自然に聞こえます。
比較で理解
言わない形
我吃了蘋果。
量が示されていないので、単独の文としては「それから…」と続きを期待させる言い方に聞こえます。
言える形
我吃了兩個蘋果。
「兩個」で量がはっきりすると、それだけで完結した報告になります。
「動作をやり切った」まで言ったと思ってしまう
動詞のすぐ後の了は、その行為が一回、区切りとして起きたことを伝えるだけです。対象を最後までやり終えたかどうかは、また別の話です。「全部やり終えた」まで言い切りたいときは、完のような結果補語を動詞に足します(結果補語は別のページで扱います)。
比較で理解
了だけ(行為が起きた)
我看了那本書。
あの本を読むという行為が起きたことだけを伝えます。最後まで読み終えたかどうかは、この文だけでは分かりません。
了+結果補語(最後までやり終えた)
我看完了那本書。
完(読み終える)を足すと、最後までやり終えたという結果まで言い切ります。
文末の了と混同してしまう
了は置く場所で役目が変わります。文末に置く了は、以前と違う新しい状態になったことを知らせます。動詞のすぐ後に置く了は、その動作が一区切り起きたことを伝えます。我看書了。と我看了那本書。は同じ字が並んでいても、了の位置が違うので意味が違います。
比較で理解
文末の了(状態変化)
我看書了。
「本を読むことにした/読む状態に入った」という新しい状態の報告です。状態変化の了については別のページで扱います。
動詞直後の了(動作完了、このページ)
我看了那本書。
「あの本を読んだ」という、動作が一区切り起きたことの報告です。これがこのページで扱う了です。
2ルール
形を確認する
動詞 + 了 + 数量つきの目的語
動詞のすぐ後に了を置き、その後ろに「いくつ・どれだけ」を数量詞で示した目的語を続けます。数量が示されると、それだけで完結した報告になります。
基本の型
主語 + 動詞 + 了 + 数量詞 + 目的語
目的語が「特定できるもの」でも成立する
那本書のように、話し手と聞き手のあいだでどれを指すか決まっている目的語も、数量詞と同じように文を言い切れる形にします。
基本の型
主語 + 動詞 + 了 + 那/這 + 目的語
行為の一区切りであり、対象の完了ではない
動詞+了は、その行為が一回、実行されたことを伝えます。対象を最後までやり遂げたかどうかは、結果補語(完・好など)が別に担う役目です。了だけではそこまで判断できません。
否定文では了が消える
動詞のすぐ後の了は、沒(有)で否定する文には現れません。沒吃飯。のように、了なしで否定します。
基本の型
主語 + 沒(有) + 動詞 + 目的語
3見分ける
使い分けを確認する
量を示すか、ぼかすか
比較で理解
- 我吃了蘋果。
私はりんごを食べました(それから…)。
量が示されていないので、単独の文としては続きを期待させる言い方に聞こえる。
- 我吃了兩個蘋果。
私はりんごを2個食べました。
「兩個」で量が示され、それだけで完結した報告になる。
まとめ違いは「兩個」があるかどうかだけです。量が入ると、それだけで完結した報告になります。量がないと、続きを期待させる言い方に聞こえます。
文末の了と、動詞直後の了
比較で理解
- 我看書了。
私は本を読むことにしました。
これは文末の了(状態変化)。動詞のすぐ後ではなく、文の最後に了がある。
- 我看了那本書。
私はあの本を読みました。
那本で対象が特定されているので、量詞がなくても言い切れる。
まとめ同じ了でも位置で役目が変わります。文末なら状態変化、動詞のすぐ後ならこのページの動作完了です。
行為が起きたことと、最後までやり終えたこと
比較で理解
- 我看了那本書。
私はあの本を読みました。
那本で対象が特定されているので、量詞がなくても言い切れる。
- 我看完了那本書。
私はあの本を読み終えました。
完(結果補語)が加わって、初めて「最後までやり終えた」と言える。了だけではそこまで言っていない。
まとめ了だけでは「その行為をした」までしか言えません。完(結果補語)を足して初めて「最後までやり終えた」と言えます。
手を動かす
ミニ練習
友達に、りんごを何個食べたか聞かれました。2個食べたことをはっきり伝えたい場面です。
この場面で言うのはどれですか。
私は本を1冊買いました。
組み立てた文
- 下のタイルから選んでください
タイル
友達に、コーヒーを1杯飲んだことを伝えたい。
まず声に出すか書き出してから、回答例を開いてください。ここでの判定はあなた自身が行います。
用例
例文
- 我吃了蘋果。
私はりんごを食べました(それから…)。
量が示されていないので、単独の文としては続きを期待させる言い方に聞こえる。
- 我吃了兩個蘋果。
私はりんごを2個食べました。
「兩個」で量が示され、それだけで完結した報告になる。
- 我買了一本書。
私は本を1冊買いました。
買うという行為が、一冊分、実行されたと伝える。
- 他喝了一杯咖啡。
彼はコーヒーを1杯飲みました。
量詞「一杯」があるので、それだけで言い切れる。
- 我看了一部電影。
私は映画を1本見ました。
映画を見るという行為が一回実行されたと伝える。対象を語り尽くしたとは言っていない。
- 我看了那本書。
私はあの本を読みました。
那本で対象が特定されているので、量詞がなくても言い切れる。
- 我看書了。
私は本を読むことにしました。
これは文末の了(状態変化)。動詞のすぐ後ではなく、文の最後に了がある。
- 我看完了那本書。
私はあの本を読み終えました。
完(結果補語)が加わって、初めて「最後までやり終えた」と言える。了だけではそこまで言っていない。
- 我沒吃飯。
私はご飯を食べませんでした。
否定文(沒)では、動詞直後の了は消える。動詞+了とは組み合わせない。
現地の感覚
台湾での使い方
後ろに動作が続くときは裸の目的語でも自然
我吃了飯就出門。(ご飯を食べてから出かけた)のように、了の後に別の動作が続く文では、目的語が裸のままでも自然に聞こえます。単独の文で言い切るときと、後ろに続きがあるときとでは、求められる形が変わります。
「もうやった?」の確認によく使う
吃了嗎?/看了嗎?のように、了をつけた疑問文で「もうやった?」と確認するのは、台湾の日常会話でとてもよく使われます。
次の一歩
続けて練習する
Shunkanでは、この文法だけを取り出して練習します。文法ジャーニーの進み方は変わりません。