「不」と「沒」の使い分け
結論と使い分けの判断
1つまずき
日本語話者が間違いやすいポイント
過去の「飲まなかった」は、習慣か一回の出来事か
どちらも成立します。日本語訳だけで一方を誤りにせず、話している意味を見分けます。
比較で理解
一回の出来事
昨天我沒喝咖啡。
昨日、飲むという出来事が実現しなかった。
以前の習慣
以前我不喝咖啡。
以前はコーヒーを飲む習慣がなかった。
「持っていない」を「不有」と言ってしまう
日本語では「ある/ない」も「する/しない」も同じ打ち消し方をしますが、台湾華語では所有・存在の否定だけが「沒有」に固定されています。ここは時間と無関係です。
比較で理解
言わない形
我不有錢。
有は不で否定できません。台湾華語では成立しない形です。
言える形
我沒有錢。
所有・存在の否定はいつでも沒有です。
「還沒」と「還不」は、話者の捉え方が違う
どちらも言えますが、同じ意味ではありません。未到着を事実として述べるか、本人が来ようとしないと捉えるかで選びます。
比較で理解
意志への捉え方
他還不來。
彼はまだ来ようとしない、と話者が捉えています。
まだ未到着
他還沒來。
来るという出来事がまだ実現していません。
2ルール
形を確認する
不 — 意志・習慣・性質を打ち消す
動詞・形容詞の前に置きます。これからのこと、ふだんのこと、いまの状態に加え、以前の習慣を否定するときにも使います。
基本の型
主語 + 不 + 動詞/形容詞
沒 — 動作・出来事が実現していない
動作動詞の前に置きます。過去の一回の出来事にも、いま時点でまだのことにも使えます。沒有 + 動詞 と言っても同じで、口語では沒だけで言うことが多いです。
基本の型
主語 + 沒(有) + 動詞
沒有 — 持っていない・存在しない
有の否定は沒有に固定されています。時間の前後に関係なく、不有とは言いません。
基本の型
主語/場所 + 沒有 + 名詞
還沒 — まだ起きていない
「まだ」を足すと、これから起きる見込みが残っていることまで伝わります。還不來なら「まだ来ようとしない」という話者の捉え方に変わります。
基本の型
主語 + 還沒(有) + 動詞
3見分ける
使い分けを確認する
同じ「食べない」でも、今夜と昨夜で形が変わる
比較で理解
- 不・今夜我今天晚上不吃飯。
今夜はご飯を食べません。
自分で決めた予定。これからの意志なので不。
- 沒(有)・昨夜我昨天晚上沒吃飯。
昨夜はご飯を食べませんでした。
食べるという出来事が起きなかった。
まとめ違うのは晚上の前の一語だけです。決めているのは「今夜/昨夜」ではなく、意志を言うのか、起きなかった出来事を言うのかです。
状態の否定と、所有の否定
比較で理解
- 不・いま他不懂。
彼は分かっていません。
今そういう状態だ、という話。
- 沒有・いま我沒有錢。
私はお金を持っていません。
所有の否定。時間に関係なく沒有。
まとめ状態は不、所有は沒有。どちらも今の話ですが、否定する相手が違います。
過去でも「不」を使うとき
比較で理解
- 不・以前我以前不喝咖啡。
私は以前、コーヒーを飲みませんでした。
過去でも習慣として言うなら不。時制では使う型が決まらないことが分かる例。
- 沒(有)・昨夜我昨天晚上沒吃飯。
昨夜はご飯を食べませんでした。
食べるという出来事が起きなかった。
まとめどちらも過去の話です。習慣として言うなら不、一回の出来事が起きなかったと言うなら沒になります。
手を動かす
ミニ練習
今夜どうするか聞かれています。あなたはもう「コーヒーは飲まないでおこう」と決めています。
今天晚上我__喝咖啡。
昨日、私は行きませんでした。
組み立てた文
- 下のタイルから選んでください
タイル
今日は買わない。でも昨日も買わなかった。
まず声に出すか書き出してから、回答例を開いてください。ここでの判定はあなた自身が行います。
用例
例文
- 我今天晚上不吃飯。
今夜はご飯を食べません。
自分で決めた予定。これからの意志なので不。
- 我昨天晚上沒吃飯。
昨夜はご飯を食べませんでした。
食べるという出来事が起きなかった。
- 我不喝酒。
私はお酒を飲みません。
ふだんの習慣。今夜だけの話ではない。
- 他不懂。
彼は分かっていません。
今そういう状態だ、という話。
- 我沒有錢。
私はお金を持っていません。
所有の否定。時間に関係なく沒有。
- 他還沒來。
彼はまだ来ていません。
来る見込みは残っている。
- 這家餐廳沒有咖啡。
このレストランにはコーヒーがありません。
存在の否定。これも沒有。
- 我以前不喝咖啡。
私は以前、コーヒーを飲みませんでした。
過去でも習慣として言うなら不。時制では使う型が決まらないことが分かる例。
現地の感覚
台湾での使い方
口語では沒だけで言う
沒有+動詞と沒+動詞は同じ意味で、台湾の会話では沒吃、沒去のように沒だけで言うのがふつうです。沒有まで言うと少し丁寧か、強調に聞こえます。
「有沒有」で聞かれたら沒有で返す
你有沒有去?のように聞かれたときは、沒有。または沒去。と返します。不去。は「行かない(つもり)」になり、質問への答えになりません。
次の一歩
続けて練習する
Shunkanでは、この文法だけを取り出して練習します。文法ジャーニーの進み方は変わりません。